2017年11月10日

会葬礼状2

「ありがとう」母のお陰で今の私達があります

あまたの苦労をかさねてきましたから、胸中には星の数ほどの思いがあったかもしれません。
それでも、弱音ひとつ 泣き言ひとつ口にせず こつこつと一本道を歩んできた母でした。
父が他界した時、まだ末の妹は小学生でした。
私達四人姉妹を育てるため、身を粉にして働いてきた幾歳月。
自らのための趣味などを持つ暇はありませんでしたが、ささやかな楽しみといえば
故郷 福井に帰省することだったでしょうか。
お盆が近づくと いそいそと準備をして、孫の小さな手を引いて出かける様子は それは嬉しそうだったものです。
ここ十年ほどは病床にありましたが、変わらぬ あたたかな眼差しを家族に注ぎ、
皆の心のよりどころでいてくれました。

今頃は父と再会を果たし 良き笑顔でいてくれるなら これに勝る慰めはありません。
自由になった手足をのばして 身も心も存分に休めてくれるよう願っております。

喪主